抄録
従来のエステル結合を用いた錯体重合法ではホウ酸がグリコールと反応して揮発してしまうため、ホウ酸塩の合成が困難であった。そこで私はグリコールの代わりにエチレンジアミンを用い新しい錯体重合法を開発した。その新規錯体重合法を用いたところ、K3Ta3B2O12とYBO3:Euを単相で合成することに成功した。新規錯体重合法と固相法、錯体ゲル法を用いて合成したYBO3:Euの発光強度を比較すると、新規錯体重合法で合成した試料が一番強い発光を示した。これは、新規錯体重合法を用いることで前駆体の均一性が増すため、賦活剤がよく分散し濃度消光が軽減されたため発光が向上したと考えられる。このことから新規錯体重合法は従来の錯体重合法同様に優れた均一性を有する方法であることがわかった。