抄録
WC単相、β単相およびWC-β二相の3種のWC系超硬合金の酸化挙動に対し、流量が100 ml·min-1のN2ガスをキャリアガスとした50、100および1000ppmO2雰囲気下で酸化処理(600および800°C、1~10h)を行い、酸化試料の表面に対しSEM観察、EDS-SEM およびXRDによる成分・結晶相の同定、ビッカース硬さ試験、IF法による破壊靱性の測定をそれぞれ行った。その結果、WC-β二相の超硬合金試料は、基材の酸化消失量および酸化層の厚みが最も大きく、かつ、試料内部深くまで酸化に伴い硬度が低下した。一方、WC単相およびβ単相試料での酸化に伴うそれらの変化は比較的小さいことが判った。