抄録
Si3N4セラミックスは機械的特性、化学的安定性に優れた材料であり、ベアリングなどへ応用されている。近年、Si3N4セラミックスにCNTを分散させることにより導電性を付与する研究が注目されているが、所望の特性を発現するためにはCNT の分散がキープロセスとなる。そこで、本研究では簡便な乾式プロセスである機械的粒子複合化によりTiO2 粒子とCNT からなる複合粒子を調製し、これを用いてCNT 分散Si3N4セラミックスを作製することを目的とした。導電率測定の結果、1.0wt%の試料では2.8~6.5 S/mの導電率を有し、焼結温度が高いほど高い導電率を示した。SEMによる微構造観察の結果、多くのCNTがSi3N4セラミックス中に残存しており、これらが導電パスとなったと考えられる。