抄録
金属微粒子は特異な光学的特性や触媒特性を持つことから、機能性材料としての研究が盛んに行われている。微粒子の凝集によってこれらの特性が変化してしまうことから、実用化に際しては粒子を高分散させた状態での固定化技術が求められている。
基板上に金属微粒子を作製する方法の一つとして光電着法が挙げられる。光電着法とは、金属塩の溶液中で酸化チタン等の光触媒に光を照射することにより、光触媒表面で起こる光還元反応を利用して金属微粒子を析出させる方法である。しかし、この方法では紫外光のあたる光触媒の最表面でしか還元反応が起こらないため、金属微粒子の高密度化及び粒子層の多層化は困難であった。
一方、交互積層法はコーティングプロセスの一種で、反対の電荷を持つ化学種の溶液に基板を交互に浸漬させることで、静電引力により基板上に複合体多層膜を形成する手法である。
本研究では、光電着法に交互積層法を組み合わせることで、酸化チタン-金微粒子の多層膜を作製することを検討した。