抄録
本研究では,酸化ニッケルを混合した8 mol%イットリア安定化ジルコニアのアニール試験を行った.大気中のアニール試験において,酸化ニッケルを混合していない試験片では,安定化ジルコニアの立方晶が正方晶にわずかに相変態し,それに伴いイオン伝導率が低下した.酸化ニッケルを混合した試験片では,安定化ジルコニアの顕著な正方晶への相変態が確認され,それにより伝導率が大幅に低下した.さらに,還元雰囲気中でのアニール試験においては,酸化ニッケルがニッケルに還元すると同時に,安定化ジルコニアがほぼ全て正方晶に相変態した.以上より,アニールにおいて,酸化ニッケルがイットリア安定化ジルコニアの立方晶から正方晶への相変態を促進すること,特に還元雰囲気中でその影響が大きいことが明らかになった.