抄録
リン酸カルシウム系材料は、生体親和性が高いために、人工骨や遺伝子導入材などへ応用が盛んにされている。しかし、細胞内pHによって薬物を放出するような高機能DDS担体としての開発は未だ達成されていない。今回、リン酸カルシウム – ペプチド複合体に注目した。ペプチドは、その側鎖の種類によって、複合化したリン酸カルシウムの表面やタンパク質吸着特性を大きく変化させることがこれまでの我々の研究で明らかとしている。そこで、本研究ではリン酸カルシウム合成中にペプチド及びタンパク質(あるいは低分子ドラッグ)を複合化することで、pHに応答する新規DDS担体の開発を目的とした。