抄録
酸化物熱電変換材料β-NaxCoO2およびその一部置換体β-NaxZnyCo1-yO2の薄膜を液相プロセスである静電噴霧堆積法によって作製した。作製後、薄膜X線回折法による相同定、四深針法による電気伝導率の算出など、熱電特性に関する評価を行った。薄膜X線回折法の結果よりZnの固溶領域は10%未満であることが示された。この結果より、今後Zn固溶領域の細かい調査を行う予定である。
導電率の結果では、ドープしないものに比べて20%までの領域で低下し、30%~40%の領域では向上していることがわかった。これはγ-型で既報の傾向とおおむね一致する。