抄録
これまでにリン酸塩ガラスがプロトン伝導性を示すという報告がある。しかし添加元素がガラス構造や導電率へ及ぼす効果について整理された報告は少ない。本実験では、リン酸亜鉛ガラスの構造に及ぼすバリウム添加の効果について調査することを目的とした。
粉末ガラス試料の31P MAS-NMR測定を行ったところ、亜鉛とバリウムが混在する組成において、0および-12 ppm付近にQ0、Q1に帰属されるピークが見られた。このことから配位数の異なる元素が混在することで、リン酸鎖が切断されやすくなっていると予測される。またこれらのピーク強度が強く検出された試料では、高いプロトン導電率が得られることが期待される。