抄録
我々はこれまで、量子ドット(QD)の表面状態を制御することで、発光効率を保ちつつ様々な形態のガラスマトリックスに分散させ新しい蛍光材料を作製してきた。バイオ用の蛍光試薬として応用するために、QDの集合体をガラスコートしたカプセル(直径50nm程度)を作製した。 蛍光試薬では、サイズが小さいことや丈夫であることも重要である。そこで、カプセル形成メカニズムを探り、耐久性との関係を明らかにするために、条件を変えながら一つのQDをガラスコートし、その形態や蛍光特性を評価した。QDの量を最適化することで、QD表面をガラス層で均一にコート出来た。表面のシラン化がQDの耐久性に影響し、水相に移るときのQDの集合体の大きさに相関があることも示唆された。