抄録
ZnOは代表的な酸化物半導体であり、Alドーピングはキャリアー電子を発生させ、電気伝導道の向上や近赤外線の散乱特性を生じるなど、ZnOの物性制御に重要な技術である。本研究では金属イオンを含有する水溶液に沈殿剤としてジアミン類を添加し、ジアミンの塩基としての機能と配位子としての機能を同時に用いることにより、物性発現に必要な原子レベルで均一な陽イオン分布を有するAl-ドープZnO粒子を調製した。沈殿剤としてブタンジアミンとヘキサメチレンジアミンを用い75℃にて沈殿を調製した場合、淡青色の波長800nm~2500nmの近赤外領域に吸収を有するZnO粒子が得られた。