抄録
ヒドロキシアパタイト (HAp) 結晶の生体内における挙動は、体液に接する結晶面により異なる。本研究では、ポリビニルアルコール(PVA)水和ゲル中に分散した針状のHAp結晶の形態の変化を調べた。針状HApを含むPVAゲルを作製し、擬似体液(SBF)に浸漬した。1、3日間浸漬した試料に形態の変化が見られなかったが、7、14日間浸漬した試料では、針状HApの一部が溶解したと推定される形態が観察された。14日間浸漬した試料には、針状HApの内部が空洞になったチューブ状の形態が見られた。これはHApのa面が周囲のPVAマトリックスと相互作用し、その部分では溶解が進行し難くなり、PVAマトリックスとの相互作用が小さい部分から溶解したためと考えられる。