抄録
我々のグループは,金属チタンに骨組織結合性を付与するために金属チタン表面に溝などの隙間環境を与えた後,熱酸化処理(500°C)をして,生体環境下で自発的に骨類似アパタイト粒子を表面に析出させる技術(GRAPE® technology)を開発した。この技術により処理したインプラント表面は酸化チタン層の厚さに依存する特有の干渉色(紫色など)を呈するため,歯科分野のインプラントで一般的な黄金色や白銀色と比べると審美性が劣る。一方,干渉色の影響を低減させるために熱処理温度を低下させるとアパタイト形成能が低下する弱点がある。そこで本研究では低温熱酸化と紫外線照射あるいはオートクレーブ処理を施した2枚の金属チタン試片を対面配置させて隙間環境を作製し,熱酸化処理温度を低下させても擬似体液中でアパタイト形成能を発現させることを目的とした。