Journal of Pharmaceutical Communication
Online ISSN : 2759-3088
Print ISSN : 2758-2035
原著論文
薬局薬剤師への緊急避妊薬に関する実態調査
鈴木 達彦廣瀬 隆吉田 孝仁富澤 崇
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2023 年 21 巻 1 号 p. 14-21

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抄録
昨今、緊急避妊薬(EC)のOTC化の議論において、薬剤師の知識不足や薬局での在庫配備などの課題が指摘されているが、その指摘に根拠が見当たらない。そこで我々は、ECへのアクセス改善に薬剤師が障害となっているのか、薬剤師がECのOTC化に対してどのような考えを持っているかを明らかにするために、薬剤師を対象としたWeb質問票調査を2回実施した。 OTC化に賛成との回答は2回の調査ともに60%を超えており、ECの基本的知識を知っているとの認識は2回目のほうが高まっていた。OTC化反対の意見において、薬剤師の知識不足や薬局内での顧客のプライバシーの確保といった懸念が、2回目のほうが強く観察された。ECの基本的知識を知っているとの回答者が多かったこと、在庫よりもプライバシー確保を懸念していること、OTC化の賛否について薬剤師自身の職能や職責に対する認識が影響している可能性があることから、ECのアクセス改善の障害として国内の議論で指摘されているような薬剤師側の要因は必ずしも実態を反映したものではないと考えられた。
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© 2023 日本ファーマシューティカルコミュニケーション学会
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