Journal of Pharmaceutical Communication
Online ISSN : 2759-3088
Print ISSN : 2758-2035
原著論文
自己効力感とヘルスリテラシーの服薬アドヒアランスに対する 影響構造の検討
櫻井 秀彦合田 一真光岡 俊成森藤 ちひろ岸本 桂子
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2024 年 22 巻 2 号 p. 18-30

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抄録
本研究では、服薬アドヒアランスに関して、自己効力感を構成する効力予期と結果予期の他、主観的ヘルスリテラシー(以下、HL)に加えて客観的なHLであるヘルスニューメラシー(以下、HN)も同時に影響要因として検討した。対象疾患は自覚症状の少ない代表的な慢性疾患である高血圧症、糖尿病、脂質異常症と、自覚症状を有し患者数が増大している花粉症と不眠症とした(疾患重複無し)。インターネット調査でそれぞれの罹患患者に、服薬アドヒアランス、効力予期、結果予期、3次元の機能的、相互的、批判的HLと、2種類のHN(NVS-JとLipkus-J)を聴取した。パス解析による多母集団分析の結果、アドヒアランスには自己効力感の効力予期と結果予期はHLの媒介機能は示さず、独立した影響要因であった。また、自覚症状を有する疾患は自己効力感のうち結果予期のみアドヒアランスに影響した。HLでは機能的HLがすべての疾患で影響し、一部の疾患で批判的HLが負の影響を示した。以上から、自覚症状の有無によって自己効力感の影響の仕方が異なり、自覚症状が少ない疾患では効力予期の醸成が、自覚症状を有する疾患では結果予期の醸成が重要であることが示された。また、服薬アドヒアランスの予測には機能的HLが有用であること、更には一部の疾患では治療法について過度に懸念することへの留意が必要であることも示唆された。
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© 2024 日本ファーマシューティカルコミュニケーション学会
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