Progress of Digestive Endoscopy
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臨床研究
サルモネラ腸炎の内視鏡的検討
藤沼 澄夫阿部 剛服部 克哉佐藤 浩一郎菅野 聡玉山 隆章須田 浩晃吉田 光宏掛村 忠義酒井 義浩
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2005 年 66 巻 2 号 p. 22-25

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抄録
 対象は1999年1月から2004年11月までに当院で大腸内視鏡を施行し,直腸から終末回腸まで観察できたサルモネラ腸炎6例で男性5例,女性1例,平均年齢32.1歳である。サルモネラ菌はO血清群により7群に大別されており,本研究ではサルモネラ腸炎を臨床所見と内視鏡像とをO血清群別に比較検討した。なお,サルモネラ腸炎は潜伏期間が短く急性発症のため,いずれも早期に来院しており,来院直後に大腸内視鏡を施行し,全例で内視鏡下での腸管貯留液の洗浄液培養にてサルモネラ菌が同定されている。初診時の血液学的所見(平均値)では,O9群(4例)WBC 12,500,CRP 12.5であり,O4群(2例)WBC 9,800,CRP 3.9であった。病変の主座を直腸,S状結腸,下行結腸,横行結腸,上行結腸,回盲部,終末回腸の7分節に分けると,O4群は2.5分節に対しO9群は5分節であり,O9群は有意に広範囲に粘膜傷害がみられた。病変分布はO4群では一定の傾向はなかったが,O9群では深部大腸に多く,特に上行結腸と回盲部は全例に粘膜傷害があった。内視鏡所見は発赤,びらん,浮腫を軽症とし,粘膜出血,潰瘍を中等症とすると,O9群の方が有意に中等症以上の粘膜傷害がみられる分節数は多かった。O9群の1例で罹患部位が全大腸にわたっており,粘膜出血と潰瘍形成などから潰瘍性大腸炎に類似した例もあり,鑑別診断上の注意が必要であった。
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© 2005 一般社団法人 日本消化器内視鏡学会 関東支部
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