抄録
当院で治療された早期胃癌85例を対象とし,ガイドライン病変と適応拡大病変に分け,治療成績を比較検討した。ガイドライン病変62例,適応拡大病変23例で平均腫瘍径は10.7mm : 29.0mm,偶発症は出血4.8%(3/62) : 8.6%(2/23),穿孔は適応拡大病変1例のみであった。平均手術時間は80.8分 : 149分,一括切除率は91.9%(57/62) : 82.6%(19/23)であった。予後に関しては,ガイドライン病変,適応拡大病変ともに,治癒切除された病変では,再発,転移は認めていない。ガイドライン病変の非治癒切除5例の予後は,手術1例,再ESD1例,経過観察2例,詳細不明が1例であった。適応拡大病変の非治癒切除4例の予後は,2例が手術,2例が経過観察されている。側方範囲診断の見誤りによる非治癒切除例を適応病変,適応拡大病変ともに1例ずつ認め,確実な範囲診断を行うことが重要と思われた。