2017 年 91 巻 1 号 p. 106-108
症例は68歳,女性.胃前庭部のⅡc様病変からの生検にてアミロイド沈着がみられ,λ陽性の形質細胞浸潤が目立ち,病変が胃に限定されていることから,胃原発性ALアミロイドーシスと診断された.診断後,6カ月の内視鏡検査にてⅡc様病変は浅く,広い潰瘍性病変に変化しており,この所見は数年間にわたり変化がみられなかった.NBI観察では通常光観察に比較して潰瘍境界部がより明瞭に観察され,潰瘍部が白色調を呈した.これらの所見はアミロイド沈着による粘膜・粘膜下層の循環障害が寄与しており,NBIがアミロイド沈着・非沈着部の評価に有用であることが示唆された.