消化器内視鏡の進歩:Progress of Digestive Endoscopy
Online ISSN : 2189-0021
Print ISSN : 0389-9403
臨床研究
大腸結節顆粒集簇型扁平隆起性病変の辺縁境界模様の検討
剛崎 寛徳藤沼 澄夫酒井 義浩坂井 謙一小沢 政成石塚 俊一郎石黒 淳掛村 忠義吉田 光宏岸 秀幸安田 正俊佐藤 正弘
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1993 年 42 巻 p. 112-117

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抄録

 1986年1月より1992年3月まで当施設では注腸X線検査を2,230件施行し,結節顆粒集簇型扁平隆起性病変を45例52病変経験した。うち注腸二重造影にてfine network pattern(以下FNPと略)を描出しえた40病変を対象とし,病変の辺縁境界模様,病変の大きさ,腸管粘膜との関連性および組織学的所見とを対比した。病変の辺縁境界模様をはけ状,櫛状,鋸歯状,波状,半月状に5分類し,統計学的対比はx2検定を用い,1%以下の危険率をもって有意とした。腸管の長軸に面しては後4者が多く,長軸に直交する側面では,はけ状模様が有意に多かった。組織学的対比では波状,半月状模様は腺管腺腫に,櫛状,鋸歯状模様は絨毛腫瘍に多く,30mm未満の腺管腺腫では波状,半月状模様が有意に多かった。内視鏡像との対比では色素法が一致した。注腸二重造影法,薄層法の併用によりFNPと病変の辺縁模様の描出は十分可能であり,この知見は内視鏡診断に際して重要事項となろう。

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© 1993 一般社団法人 日本消化器内視鏡学会 関東支部
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