近年,早期食道癌や早期胃癌に対する内視鏡的切除術が広く普及してきているが,通常使われている直視型の処置用内視鏡では,病変の局在部位によっては正面視による処置が困難となり,不完全切除になることが多い。今回,オリンパス社製処置用前方斜視型電子内視鏡を使用する機会を得た。本機種は,視野角100°(前方斜視45°),先端部外径13mmで,鉗子起上を有する2チャンネルスコープである。内視鏡的切除した症例は9症例12病変で,0-Ⅱb型食道癌が1病変,胃腺腫6病変,Ⅱa 4病変,Ⅱc 1病変であった。これらは全例完全切除され,胃体部の小彎および大彎でも操作性は良好であった。以上より,本機種は優れた処置用電子スコープと考えられた。