消化器内視鏡の進歩:Progress of Digestive Endoscopy
Online ISSN : 2189-0021
Print ISSN : 0389-9403
臨床研究
空間画像処理を用いた胃癌浸潤範囲診断の検討
山縣 さゆり大井田 正人荒川 丈夫中井 久雄近藤 一英今泉 弘横山 靖西元寺 克禮
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キーワード: 画像処理, 電子内視鏡, 胃癌
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1993 年 42 巻 p. 77-80

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抄録

 オリンパス社製,画像入力および画像処理システム(以下IPシステム)を用いた適応型強調処理を行い,得られた画像による早期胃癌浸潤範囲について検討した。固体撮像素子(charge coupled device : CCD)により入力されたアナログ信号をデジタル信号に変換し,注目している周波数成分を最大2,3,5倍に増幅し,3段階の強調処理を行った。褪色群,発赤群ともに周波数強調最大2(Peak 2)の画像が最も良好であり,画像の明瞭化が得られた。褪色群(9例)では,色調,微細血管網,辺縁境界が全例明瞭化され,約8割に有効であった。同色群の1例は,処理前に比し胃小区模様,辺縁境界が明瞭化された。発赤群(5例)では,微細血管網,辺縁境界が全例明瞭化され,全例に有効であった。しかし現時点では処理時間,画像劣化などの問題点もあり,さらに周辺機器の開発と改良が必要と思われた。

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© 1993 一般社団法人 日本消化器内視鏡学会 関東支部
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