1993 年 43 巻 p. 112-115
内視鏡的に摘除し,組織学的に検討可能であった大きさ10mm以上,高さ5mm以上の上皮性腫瘍(腺腫のみ51病変,腺腫内癌42病変)を対象とした。腺腫内癌を最大割面における占有癌巣面積により,少量(10%以下)17病変,中等量(30-70%)15病変,多量(90%以上)5病変,sm癌5病変にわけ,内視鏡的検討を行った。肉眼型では無茎性,広基性となるに従い癌量の増加,sm癌の比が増加した。頭部形状を検討すると,球状,長球状では腺腫,少量の腺腫内癌が多かったが,不均整な形態を示したものは癌量が多い傾向が認められた。また,非対称性や頂部の平坦・陥凹は癌量の多いものに多く認められた。大きさは必ずしも癌量の多さと相関せず,sm癌では逆に小さなものが多かった。さらにまた,発赤の強さと癌量の多少とは相関しなかった。