消化器内視鏡の進歩:Progress of Digestive Endoscopy
Online ISSN : 2189-0021
Print ISSN : 0389-9403
臨床研究
大腸微小癌の内視鏡的組織学的検討
吉岡 秀樹石井 俊也中島 俊一松村 修志井上 博和石塚 俊一郎小沢 政成坂井 謙一岸 秀幸安田 正俊発地 美介藤沼 澄夫酒井 義浩
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1993 年 43 巻 p. 116-119

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抄録

 内視鏡的に摘除し,かつ組織学的に早期大腸癌と診断した227例,237病変のうち,最大径が5mm以下の微小癌18病変と,最大径が6-10mmの癌63病変を内視鏡的,病理組織学的に比較して,その特徴像を検討した。その結果,①微小癌は早期癌の7.6%に相当し,まれな病変ではなかった。②微小癌は6-10mmの癌と比較して,腺腫非併存,横行結腸の局在,無茎性隆起が高率であった。③色調,表面性状は6-10mmの癌と比較して特徴的所見を見出せなかった。④微小癌のうち術前診断可能であったのは粗大顆粒状,中心陥凹を呈した5病変(36%)に過ぎなかった。⑤対象を5mm以下の微小癌に絞っても,組織学的に腺腫を母地として発生する癌とde novo発生する癌の2通りがあると思われ,腺腫非併存癌7病変中2病変(29%)は粘膜下層浸潤があり,腺腫併存癌と比較して早期に浸潤することが示唆された。

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© 1993 一般社団法人 日本消化器内視鏡学会 関東支部
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