1993 年 43 巻 p. 200-203
症例は56歳女性。主訴は水様性下痢,腹痛である。既往歴として19歳時,肺結核で右胸郭形成術,48歳より慢性関節リウマチで治療を受けていた。入院時,TP 4.4g/dl,Alb 2.2g/dlと著明な低蛋白血症を認めた。止痢剤,IVHにても改善がみられず,全身状態も悪化した。消化管アミロイドーシスを疑い,直腸と胃の粘膜生検をしたところ,ともにアミロイドの沈着を認めた。prednisolone 60mg/日を開始,以後漸減するとともに,dimethyl sulfoxide(DMSO)4ml/日の経口投与を開始した。低蛋白血症は徐々に解消され,下痢も消失した。ステロイド,DMSOが臨床的に有効であった消化管アミロイドーシスを経験したので報告した。