抄録
症例は31歳男性。1988年9月より骨髄異形成症候群にて当院血液内科に入院中,発熱および背部の皮疹を認め,皮膚生検の結果Sweet病と診断された。1989年10月Sweet病増悪のため再入院したが,入院中の1990年1月17日大量下血のため当科を受診した。大腸内視鏡検査にて盲腸部を中心に多発性の打ち抜き様潰瘍を認め,生検組織で非特異性の炎症所見であった。完全静脈栄養法および塩酸アゼラスチン投与にて軽快した。Sweet病に合併したベーチェット病類似の大腸の多発性潰瘍はまれと思われたので報告する。