消化器内視鏡の進歩:Progress of Digestive Endoscopy
Online ISSN : 2189-0021
Print ISSN : 0389-9403
症例
ICG併用半導体レーザー治療を行った再発食道静脈瘤の1例
日野 昌力増田 勝紀角谷 宏小泉 大樹千葉井 基泰黒川 香増井 良臣太田 優子荒川 広志新井 弥生奥脇 秀一郎蜂谷 公敏川村 統勇藤崎 順子大政 良二安藤 博鈴木 博昭林 琢也荒井 恒憲菊池 眞山内 眞義
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キーワード: 食道静脈瘤, diode laser
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1998 年 51 巻 p. 85-87

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抄録

 われわれは半導体レーザーを用いた食道静脈瘤治療法を考案し,基礎検討を行ってきた。今回再発食道静脈瘤の1例に対し,臨床応用を試みた。症例は64歳,肝癌合併肝硬変の男性。硬化療法6カ月後にF2RC(+)の食道静脈瘤が認められた。再治療初回は静脈瘤結紮術を施行し,血管径の縮小を図った。2回目は残存静脈瘤の周囲の粘膜下にICG溶液を注入した後,半導体レーザー(Olympus,Diomed 25)を用いて,出力10Wにて食道胃接合部から5cm口側まで全周性に照射した。治療1カ月後の内視鏡検査では静脈瘤は消失しており,超音波内視鏡でも粘膜・粘膜下層に血管像は認められなかった。経過中,食道狭窄などの合併症は認められなかった。本法は少ない治療回数で安全かつ確実に治療できる方法であり,臨床応用可能と考えられた。

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© 1998 一般社団法人 日本消化器内視鏡学会 関東支部
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