日本歯周病学会会誌
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症例報告
非外科的療法を行った広汎型重度慢性歯周炎患者の10年経過症例
田中 俊憲坂上 竜資
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2014 年 55 巻 4 号 p. 331-339

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抄録
広汎型重度慢性歯周炎患者に対し,非外科的に対応して 10 年間良好な経過が得られた症例を報告する。 本症例では残存歯28歯すべてが長期的に予後不安定とされる Questionable もしくは Hopeless に分類される状態であった。そのため初診時にはかなり多くの歯が保存不可能だと診断した。しかしながら,SRP を中心とした歯周基本治療および患者自身による歯肉縁上のプラークコントロール,術者による歯肉縁下のプラークコントロールおよび咬合のコントロールによって22歯の保存が可能になった。また,定期的な SPTにより10年間に渡ってすべての残存歯の歯周組織の維持安定を図ることができた。最終的に上顎は歯周補綴を行い,下顎は暫間固定にて処置を行った。定期的な SPTにて大きな問題もなく現在まで経過している。 本症例から歯周治療の成功には炎症のコントロールと咬合力のコントロールの両者がバランスよく達成できることが必要不可欠であることが示された。 日本歯周病学会会誌(日歯周誌)55(4):331-339,2013
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© 2014 特定非営利活動法人 日本歯周病学会
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