日本歯周病学会会誌
Online ISSN : 1880-408X
Print ISSN : 0385-0110
ISSN-L : 0385-0110
教育賞
東京医科歯科大学歯学部歯学科学生の歯周治療臨床実習の改革とその現状―2018年卒業生の実習内容とその実績から―
青木 章竹内 康雄秋月 達也水谷 幸嗣片桐 さやか池田 裕一前川 祥吾渡辺 数基海老原 新秀島 雅之二階堂 徹小田 茂荒木 孝二岩田 隆紀和泉 雄一
著者情報
ジャーナル フリー HTML
電子付録

2020 年 62 巻 1 号 p. 38-46

詳細
抄録

東京医科歯科大学歯学部歯学科では第5・第6学年時に,歯学部附属病院で包括臨床実習が行われている。包括臨床実習はPhase I~IIIの3部構成となっており,第5学年の9~10月にPhase Iとして各診療科における臨床前外来実習(6週間),11月から翌年第6学年の11月までPhase IIとして第1総合診療室での総合臨床実習と各科外来実習(約47週間),国家試験後の2~3月にPhase IIIとして各科におけるアドバンス選択実習(約5週間)を行っている。Phase IIにおいては,第1総合診療室(学生専用治療室)にて各科の教員の指導の下に,各治療内容についてクレジット制を採用した診療参加(自験)型臨床実習が行われている。歯周治療に関しては,試験ケース(1症例必須),一般ケース,SPT/メインテナンスケースにおいて,歯周精密検査,口腔清掃指導,歯周基本治療,歯周外科治療(介助あるいは見学),メインテナンス/SPT治療などを実習する。2018年卒業の学生51名は,第5~6学年時に,試験ケース患者計51名(1名/学生),一般ケース患者計129名(平均2.5±1.9名/学生),およびSPT/メインテナンス患者計615名(平均12.1±4.0名/学生)を担当し,歯周治療を全般的に実習した。51名の学生は,試験ケースでの術前検査および再評価検査後の2回の口頭試問に合格し,歯周治療臨床実習における必修項目(エッセンシャル・リクワイヤメント)を達成し,臨床実習を全員修了した。臨床実習は,実習後に学生からの評価や意見を受け,それらの要望も一部受け入れつつ,小改変を継続的に行いながら現在に至っている。2018年卒業の学生を例として,本学における歯周治療臨床実習の最新の現状とその改革について報告する。

著者関連情報
© 2020 特定非営利活動法人 日本歯周病学会
前の記事
feedback
Top