日本歯周病学会会誌
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原著
CALから見た歯周炎新分類(AAP・EFP 2018)と歯周炎分類(日本歯科医学会2007)の関係
茂手木 義男濵島 秀徳華岡 眞幸岡本 行人三澤 一男谷 博一岡田 菜穂子宮澤 康櫻井 千里高木 智幸
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2022 年 64 巻 2 号 p. 76-89

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抄録

現在日本において臨床で広く用いられている歯周炎分類(日本歯科医学会 JDA 2007)とCAL(臨床的アタッチメントレベル)の関係を調べる臨床研究を全国10名の臨床医が2016年から2021年まで5年間行い,1,375名のべ125,468歯の調査結果を得た。また歯周炎新分類(AAP・EFP 2018)との関係を精査することで,歯周炎指標をより有用に使用できると考えた。元々歯周炎分類はCALの検査項目はない。その為1歯毎に歯周炎分類とCAL値がひも付いた臨床研究結果から,CAL値(一部PD値,動揺度)を介して歯周炎分類と歯周炎新分類(ステージ,グレード)の関係を調べた。歯周炎新分類(AAP・EFP 2018)の重症度について「最大CAL値」から見た場合,ステージ(I,II,III,IV)各々に占める歯周炎分類値(P0,P1,P2,P3,P4)の被験歯数の分布は,IはP0,IIはP1,IIIとIVはP2が大多数だった。また複雑度について「最大PD値と動揺度」から見た場合,IはP1,IIとIIIはP2,IVはP3が大多数だった。その他ステージ重症度の「歯の喪失」及びグレード進行の直接証拠「最大CALの経年変化」では両者の関係は不明であった。

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