2022 年 64 巻 4 号 p. 167-181
重度の垂直性骨吸収に対する治療法として,近年開発されたFGF-2製剤(リグロスⓇ)をはじめ,これまでに骨移植術,GTR法やエナメルマトリックスタンパク(エムドゲインⓇゲル)を用いた歯周組織再生療法が行われている。今回,2次性咬合性外傷を伴う重度慢性歯周炎(ステージIV,グレードB)患者にコラーゲン使用人工異種骨(ウシハイドロキシアパタイト:HA)移植による歯周組織再生療法とヘミセクションを行い良好な長期経過を得ているので報告する。歯列不正はあるがプラークコントロールは良好で,SPT開始7年後に癌のため長期間化学療法を受け,副作用で味覚障害を一時的に生じたが口内炎の発症はない。移植から18年経過したHAは,エックス線的に置換・吸収されず残存するが感染源とならずに歯周炎の急性発作や歯周ポケットの進行もなく機能している。歯周外科後の歯周組織および化学療法中の口腔環境の維持に,徹底したプラークコントロールは有効であると考える。