日本歯周病学会会誌
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早期発症型歯周炎の長期観察症例
松岡 寿中西 恵治白川 正治根本 徳之廣畠 英雄新堀 浩今村 直也秋元 康宏小川 哲次東 富恵岡本 莫
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1990 年 32 巻 3 号 p. 934-944

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抄録
14歳及び20歳の早期発症型歯周炎2症例について, 4~6年の長期観察を行った。症例1は中等度の骨吸収を有する14歳女性で, 非外科処置により健康な歯周組織に改善した。また, 垂直性骨欠損部は修復し水平的な骨添加が認められ, 4年後の現在ではほぼ正常な骨レベルにまで回復した。症例2は重篤な骨破壊を有する20歳女性で, 外科処置により, 手術後6ヵ月で垂直性骨欠損部の修復が得られ, 6年後の現在では顕著な骨レベルの増加が認められた。成人型歯周炎と同様な治療法を施した本2症例は, 歯周組織の炎症が改善されると共に, 骨レベルの上昇が観察され, その治癒傾向は成人型歯周炎と類似していた。さらにメインテナンスの継続により, 支持組織の着実な獲得が観察された。
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