抄録
表層多糖の抗原性がBacteroides (Porphyromonas) gingivalis 381株とは異るB. gingivalis SU 63株から線毛を分離し, その性状を381株線毛と比較検討するとともに患者血清との反応性について検討した。
SU 63株線毛はDEAE Sepharose CL-6BカラムクロマトグラフィーにおいてNaCl濃度0.5Mで溶出し, SDS-PAGEでは約70KDaの位置に1本のバンドとして認められた。また, 電子顕微鏡観察では, 幅約5nmの線維状の構造物として認められ, Immunoblott法及びELISA法においては, 抗381株線毛モノクローナル抗体との反応性は認められなかった。歯周炎患者血清との反応性は, SU 63株線毛に対する反応の方が, 381株線毛に対するよりも約2.5倍高く, 12例中10例がSU63株線毛により強い反応を示し, 1例のみが381株線毛に強く反応した。
以上の結果からSU 63株線毛は381株線毛とは, 分子量や抗原性が異なっており患者血清の多くはSU63株線毛とより強く反応することが明らかになった。