日本歯周病学会会誌
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露出セメント質の表面性状について (その2)
上田 雅俊稲田 芳樹寺西 義浩中垣 直毅山岡 昭上村 参生熨斗 秀光神原 正樹小西 浩二
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1991 年 33 巻 2 号 p. 427-432

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抄録
露出根面にスケーリング (S群) およびルートプレーニング (R群) を施したものと露出根面 (EC群) および非露出根面 (IC群) を多角的に観察した結果, つぎのような結論を得た。すなわち, X線分析計によるCa, PおよびCa/P比の平均値は, 各数値ともにEC群, S群, R群, IC群の順に数値は低値を示していた。また, 走査型電顕像の, S群では, キュレットタイプスケーラーによる条痕が明白に認められ, それがプレーニングすることにより, その条痕が浅くなる傾向が観察できた。さらに, X線光電子分光分析法による観察における, カルシュウム, リン, 酸素, フッ素, および窒素の相対濃度は, S群とR群とを比較すると, 酸素以外の各成分において, R群が低値を示していた。また, カルシュウム, リンおよびフッ素の結合エネルギーは, 各実験群間ではほとんど差が認められなかった。接触角の観察結果において, S群およびR群は, IC群とほぼ同様の値を示していた。
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