日本歯周病学会会誌
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塩化セチルピリジニウムによる歯周ポケット内洗浄が臨床症状および細菌叢に及ぼす効果について
岩崎 直弥伊藤 弘原 良成蟲明 徹小延 裕之沼部 幸博鴨井 久一杉原 邦夫
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1991 年 33 巻 2 号 p. 448-457

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抄録

歯周疾患患者において, 塩化セチルピリジニウムを用いて歯周ポケット内を洗浄し, 歯周疾患罹患部位の臨床パラメータおよびポケット内細菌叢の変化について検索を行った。その結果, 臨床所見では, 塩化セチルピリジニウムによる洗浄群 (CPC), 滅菌蒸留水による洗浄群 (DW), プラークコントロールのみの群 (Cont) においてPlaque Index, Gingival Indexに改善傾向がみられた。細菌叢の変化では, CPC群において持続的に総菌数および運動性桿菌数が減少したが, DW群では, その効果は低く不安定で, Cont群においてはほとんど変化がなかった。以上のことより, 歯周ポケット内洗浄が歯肉縁下細菌叢の総菌数を減少させ, さらに洗浄液としてのCPCの使用が, 歯周疾患の病原性細菌と考えられる運動性桿菌を減少させるのに有効な手段であることが示された。

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