日本歯周病学会会誌
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スケーリングおよびルートプレーニング面に対するNd: YAGレーザー照射の効果
走査型電子顕微鏡観察
伊藤 公一西方 純一西田 哲也野沢 健郷家 英二村井 正大
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1992 年 34 巻 3 号 p. 673-680

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抄録

本研究の目的は, スケーリング (Sc), ルートプレーニング (Rp) 後にみられる残存歯石, セメント質, スメア層および処置根面に対するNd: YAGレーザーの効果を走査型電子顕微鏡 (SEM) 観察により検討することである。歯周疾患罹患歯15本の隣接歯根面にScを行った。さらに, 一側にRpを施し5×5×1mmの試片を切り出しSc群とRp群に分けた。各試片中央部を実験面としレーザーを84.93, 141.54, 283.09, 566.17および849. 26J/cm2のエネルギー密度で照射した。各試片の周辺部をコントロール面としSEM観察を行った。
その結果, Nd: YAGレーザー照射によりSc後に残存するセメント質, 歯石は除去できなかった。しかし, Rp後に生じたスメア層の除去には有効であった。また, 高エネルギー照射により開口した象牙細管の直径は狭窄する傾向にあった。

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