日本歯周病学会会誌
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インスリン非依存性糖尿病患者における歯周初期治療の効果について
上稲葉 隆瀬戸 康博瀬戸口 尚志鎌田 哲郎和泉 雄一末田 武
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1997 年 39 巻 1 号 p. 136-142

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抄録

糖尿病患者における歯周治療の効果を知る目的で, インスリン非依存性糖尿病 (NIDDM) を有する歯周炎患者6名 (DM群), および全身疾患はないが成人性歯周炎を有する患者6名 (Control群) に対し歯周初期治療を行い, 糖尿病の有無による歯周治療に対する反応性を比較検討した。初診時, 初期治療終了時のO'Learyのplaque controlrecordの変化, ボケツトデプスの変化およびボケツト減少量, ボケツト測定時の出血 (BOP) の割合の変化を両群で比較検討を行った。その結果O'Learyのplaque control record, BOPの割合, ポケットデプスおよびポケット減少量は初期治療終了時に両群間で有意な差はなく, 両群共に有意な減少を示した。また, 初診時, 4~6mmの中等度のポケットデプスの部位におけるポケット減少量は糖尿病を有する患者群が, 有さない患者よりも有意に大きな値を示した。DM群の患者は内科医のコントロール下にあり, 全ての患者で糖尿病性合併症はみられず, ヘモグロビンA1cは平均7.6±13%で比較的コントロール良好な患者群であった。これらのことから, 糖尿病を有する患者でも, 比較的良好なコントロール状態では, 適切な歯周初期治療によって全身疾患を有さない患者に劣らない歯周治療効果が得られることが示唆された。

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