日本歯周病学会会誌
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DNAプローブを用いた歯周病原菌検査の応用
細菌を指標とした術後の臨床変化の予知性
栗原 千佳子荒木 久生
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1997 年 39 巻 1 号 p. 64-71

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抄録
DNAプローブを用いて, 初期治療前後の歯肉縁下細菌 (A. actinomycetemcomitans, P. gingivalis, P. intermedia, F. nucleatum, T. denticola, C. rectus) を検索し, 初期治療後の歯肉縁下細菌が術後の臨床変化を予知しうるかどうかを検討した。
成人型歯周炎と診断した患者6名から25部位を選び被験部位とした。平均PPDは6.12mmであった。歯肉縁下細菌叢は, 実験開始時とスケーリング・ルートプレーニング後4週と8週に採取した。術後14週の臨床診査の結果から, 被験部位を治療反応良好群と治療反応不良群に群分けし, 統計分析を行った。その結果, 治療反応良好群では, すべての診査時にCALの有意な増加が認められたが, 治療反応不良群では認められなかった。また, 両群間の全細菌の陽性率の比較では, 8週のT. denticolaにのみ有意差が認められた (P=0.02) 。これらの結果から, lowレベル (≦6×103cells<6×104) 以上を陽性部位として, 術後8週にT. denticolaの有無を検索すれば, 術後14週の臨床変化を予知しうる検査項目として有効であることが明らかになり, 予後診断の指標としての有用性が示唆された。
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