日本歯周病学会会誌
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歯周ポケット内のテトラサイクリン耐性遺伝子の分布について
第一報: tet M, tet Bについて
八重柏 隆菊池 隆藤本 淳熊谷 敦史上野 和之
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1997 年 39 巻 3 号 p. 368-374

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抄録
過去6カ月以内にテトラサイクリンの投与を受けていない歯周炎患者38人の歯周ポケット内のテトラサイクリン耐性遺伝子tet M, tet BならびにActinobacillus actinomycetemcomitansについてPolymerase chain reaction法を用いて実態調査を試みた。その結果, tet Mおよびtet Bの各陽性率はそれぞれ60.5%, 34.2%であり, 両者間に有意差が認められた (カイ2乗検定, p<0.05) 。tetMの陽性率を歯周ポケットの深さによって比較すると, 浅い部位 (=4mm, n=19) では31.6%, 深い部位 (>4mm, n=19) 部位では89.5%と有意差が認められた (カイ2乗検定, p<0.01) 。Actinobacillus actinomycetemcomitansの陽性率は全体で44.7%であり, この細菌の陽性部位におけるtet Mおよびtet Bの各陽性率は, それぞれ52.9%, 41.1%であった。歯周炎患者の歯周ポケット内には, テトラサイクリンを投与する以前にテトラサイクリン耐性遺伝子が既に高い割合で存在し, その種類や環境によって分布が異なること, Actinobacillus actinomycetemcomitans等の歯周病関連細菌が, 同じ歯周ポケット内に存在する観陽性細菌からデトラサイクリン耐性遺伝子を獲得する可能性が否定できない状況下にあることなどが示唆された。
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