日本歯周病学会会誌
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歯肉退縮模型における反回転式電動歯ブラシのヘッドの大きさの違いによる清掃効果の比較について
山蔦 佐和鴨井 久博高崎 絵美吉田 晶子神田 善姫大崎 忠夫松村 彰子兼坂 ゆきの佐藤 聡鴨井 久一出口 眞二堀 俊雄
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1997 年 39 巻 4 号 p. 520-527

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抄録
本研究では, 歯ブラシヘッド部が小型化された新型反回転式電動歯ブラシにおける歯肉退縮模型の清掃効果についての検討を行った。
実験に使用した歯ブラシは, 電動歯ブラシとして毛束が2列10束よりなる従来型, 2列6束よりなる新型の反回転式電動歯ブラシインタープラークを, また, 手用歯ブラシとしてGUM#211を使用した。歯肉退縮模型は, 1.5mm歯肉退縮模型と, 3.0mm歯肉退縮模型の2種類を用いた。また, 正常歯肉模型を用いての検討も行った。清掃方法として, 電動歯ブラシ群においては歯面に対し毛束を直角にあて1歯15秒間のブラッシングを行わせ, 手用歯ブラシにおいては, スクラッビング法に準じた方法で1歯15ストロークでブラッシングを行わせた。ブラッシング圧は, 簡易加重測定装置を用い, 250gの一定圧で, 各模型5回計測をした。人工プラーク除去率の測定方法は, 規格撮影装置で撮影後, コンピューターに取り込み, NIH imageを用いて規格面積中の残存プラークの面積を測定した。
統計学的検索は, 2元配置分散分析を用いた。
全プラーク除去率は, 正常歯肉模型および1.5mm歯肉退縮模型において従来型>新型>手用歯ブラシの順に, 3.0mm歯肉退縮模型においては従来型>手用>新型歯ブラシの順に, プラーク除去率が高い値を示した。歯肉退縮模型では大臼歯部隣接面において新型歯ブラシが他の歯ブラシと比較して高いプラーク除去率を示す傾向が認められた。
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