日本歯周病学会会誌
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包括的治療による上顎前歯部歯間乳頭の再建
-審美性と機能性の改善-: 症例報告
内田 剛也吉田 拓志伊藤 公一
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2003 年 45 巻 2 号 p. 142-149

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抄録
近年前歯部の補綴治療を行うにあたり, 機能性のみならず審美性についての要求も患者から高まってきている。より自然で調和の取れた口元という審美的要求に対して歯冠形態を調整する事により歯間乳頭の再建がなされるようになってきた。しかし, これらの手法を活用しても, 健全な歯周組織環境が存在しなければ, 長期にわたり歯肉レベルを安定・維持することは困難である。
今回, 広汎性中等度慢性歯周炎に罹患し上顎前歯部の歯間離開, 挺出により審美性および発音障害を主訴とする43歳女性の症例に対して歯周外科治療と矯正治療を行い歯周組織の炎症のコントロールと安定した咬合を確立した。歯周外科治療後に矯正治療により前歯部のフレアーアウトを改善し, 不揃いな歯頸線を矯正的挺出により審美的になるように整えた。また, この挺出に伴い歯根形態が細くなった前歯部の補綴処置にあたり天然歯と同等のカントゥアーを付与した。その結果, 審美および発音障害が顕著に回復した症例を報告する。
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