パーソナリティ研究
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反映的自己が自己概念に及ぼす影響
—重要な他者の機能に着目して
杉浦 祐子
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2014 年 22 巻 3 号 p. 252-261

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抄録

本研究の目的は,重要な他者の持つ機能に着目し,重要な他者に「どのような機能を求めるか」という視点から反映的自己の自己概念への影響を検討することである。378名の大学生が,自己概念,および,他者に支援機能,同朋機能,モデル機能,対立機能を求める際の他者視点を想定して,4つの反映的自己について回答した。結果は以下のとおりである。自己概念の3次元(社会的望ましさ,活動性,個人的親しみやすさ)それぞれにおいて,他者にモデル機能を求める場合,反映的自己は自己概念に影響しなかった。また,各次元で最も影響力のある反映的自己は異なっていた。本研究の結果から,反映的自己が自己概念に関連する際の重要な他者の機能が,次元によって異なることが示された。今後は,重要な他者が誰かということだけでなく,重要な他者の持つ機能を考慮する必要性が示唆された。

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© 2014 日本パーソナリティ心理学会
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