2020 年 29 巻 2 号 p. 97-108
本研究の目的は中高生を対象にして「スクールカースト」における友だちグループ間の地位と複数の心理的適応および仮想的有能感の関連性と学校段階間の差を検討することであった。本研究では心理的適応として学校享受感,顕在的自尊心,潜在的自尊心を扱った。中高生408名に対して自己報告式のweb調査を行った。その結果,中高生ともに所属グループの地位が高い生徒ほど学校享受感も高く,グループ内での地位が高い生徒ほど顕在的自尊心も高いことが明らかとなった。また,高校生のみ高地位グループの生徒ほど顕在的自尊心も高いことが明らかとなった。潜在的自尊心と仮想的有能感についての関連はみられず,中高生の間で関連性の差も見られなかった。最後に,以上の結果をもとに,中高生における「スクールカースト」と本研究が用いた複数の指標との関連性について議論した。