物理教育
Online ISSN : 2432-1028
Print ISSN : 0385-6992
ISSN-L : 0385-6992
はやぶさ探査機と小惑星イトカワ : 小惑星イトカワの粒子から分かったこと(特別講演)
野口 高明
著者情報
ジャーナル フリー

2015 年 63 巻 4 号 p. 249-251

詳細
抄録

JAXAの小惑星探査機「はやぶさ(MUSES-C)は,小惑星からのサンプルリターンを成し遂げた世界初の探査機である。分光学的に小惑星と隕石の関連付けが行われてきたが,ついに,持ち帰られた試料の分析にもとづいて,S型小惑星と普通コンドライト隕石の対応付けが確立した。また,S型小惑星の反射スペクトルと普通コンドライト隕石の反射スペクトルの違いが,イトカワの微粒子の極表面の変化によって起きていると考えられること,その変化には太陽からの低エネルギーのプラズマ流である太陽風の照射が寄与していることが明らかになった。

著者関連情報
© 2015 日本物理教育学会
前の記事 次の記事
feedback
Top