通常,液体の密度は温度降下とともに密度が大きくなっていく。ところが地球上の多くの生物の生命活動の場でもある水は,その凝固点の0℃ではなく4℃で密度が最大になる。この水の特異性をテーマとした教材を開発した。教材は以下の2つの部分から構成される。1:水を冷却していくと水温4℃付近で冷却挙動が変化することを示す実験。2:4℃以下になると水の対流が停止することを視覚的に確認できる実験。また,このような冷却挙動の様子を再現する数理模型の構築については現在進行中であり,近い将来に発表する予定である。この教材を用いた授業は,学生が水の特異性を理解するための手助けとして有用である。