財政研究
Online ISSN : 2436-3421
研究論文
地方政府の政策決定における政治的要因
―制度的観点からの分析
砂原 庸介
著者情報
ジャーナル フリー

2006 年 2 巻 p. 161-178

詳細
抄録

 本稿では,都道府県を対象として,地方政府における知事-議会関係と中央政府と地方政府の制度的な関係に注目しながら,地方政府が政策をどのような政治的要因によって決定しているかについて,その影響を計量的な手法で分析することを試みた。具体的な政策として開発政策(インフラ整備・農林水産)と再分配政策(教育・福祉)に焦点を当て,その支出水準に対して議会における保守・革新といった党派性,知事の支持基盤・経歴,知事の再選動機という3つの政治的要因がどのような効果をもたらしているかを検証する。本稿の分析から得られた主要な結論として,特に冷戦期を中心に政党の党派性が地方政府の政策決定に一定の影響を与えており,地方政府が自らの議会の選好に応じてある程度自律的な意思決定を行うことが可能であったこと,知事のような人的ルートを通じて中央政府の意向が地方政府の政策に反映される経路がありうることが示された。

著者関連情報
© 2006 日本財政学会
前の記事 次の記事
feedback
Top