静脈学
Online ISSN : 2186-5523
Print ISSN : 0915-7395
ISSN-L : 0915-7395
症例
診断に難渋した膝窩静脈静脈性血管瘤(popliteal venous aneurysm)の一例
畠中 正孝松田 高明
著者情報
ジャーナル オープンアクセス

2002 年 13 巻 1 号 p. 61-65

詳細
抄録

膝窩静脈静脈性血管瘤は稀な疾患だが,今回われわれは,完全に血栓閉塞していたために軟部組織腫瘍との鑑別が困難であった膝窩静脈静脈性血管瘤の症例を経験した.症例は73歳,男性.肺塞栓症による入院の2カ月後,左膝窩部の痛みおよび左下腿の浮腫のため入院.左膝窩部に,弾性があり圧迫により消失しない径8cm大の腫瘤を認めた.超音波検査,MRI等施行し,腫瘤は血管病変ではなく,Baker’s cystが膝窩静脈を圧迫閉塞,静脈血栓症を来し,その結果肺塞栓を生じたものと判断した.外科的切除したところ,腫瘤は内部が血栓で満たされた静脈性血管瘤と判明,流入・流出静脈は完全に閉塞していた.静脈性血管瘤の血流が保たれている場合,静脈造影や超音波検査により診断は比較的容易であるが,完全閉塞例では他の腫瘤病変との鑑別診断には慎重を要すると思われた.

著者関連情報

この記事はクリエイティブ・コモンズ [表示 - 非営利 - 改変禁止 4.0 国際]ライセンスの下に提供されています。
https://creativecommons.org/licenses/by-nc-nd/4.0/deed.ja
前の記事 次の記事
feedback
Top