抄録
技能修得の過程には個人差があるが、その差は「才能」や「素質」という言葉で片づけられてしまいがちである。しかし、そのような個人差はなぜ生じるのであろうか?本研究ではシェイカーによるサンバのリズム演奏を題材として、初心者が上達していく過程を観察するとともに、学習者間で身体技能の修得過程にどのような差異が存在するかを分析した。実験では、複数の被験者を対象として、シェイカーを振る動作をモーションキャプチャ装置を使って計測し、身体各部位の連携を分析した。また各被験者の動作と修得過程を比較して、どこに上達の差異が生じているかを特定した。