抄録
対話システムに入力されるユーザの発話に、構文・意味的な曖昧性が存在する文が多く見られる。それらの文に対しては、構文・意味解析の結果、複数の解釈候補が得られてしまう。そこで、対話文脈の情報を利用し、ユーザの意図を正しく反映した解釈候補を選択する手法について提案する。これまで、様々な構文解析、意味解析の研究が行われてきたが、対話文脈を十分に利用したものは少ない。我々は、任意の述語で構成される節をすべて断定の述語「ある」を用いた文に同義変形する意味表現方式を採用している。今回提案する手法も、この枠組を基礎を置くものである。特に、ホテル検索対話における曖昧性のある文に対し、その有効性を示す。