人工知能学会全国大会論文集
Online ISSN : 2758-7347
第37回 (2023)
セッションID: 2A1-GS-2-01
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定和充足個体により連結された多段進化戦略に基づく魔方陣生成の効率化
*竹味 和輝佐久間 拓人加藤 昇平
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抄録

紀元前の時代から任意の大きさの魔方陣生成は研究されている.しかし,複雑な組合せ最適化問題を解くことになるため, 既存手法の多くはルールベースに則って作成する手法である.そのため,ごく一部の特殊な魔方陣しか生成することができない. ルールベースでない生成方法の一つとしては,進化計算を用いたものがあり, 本論文では魔方陣の制約を行・列・対角線の3段階に階層化し,各階層における制約(定和)が充足された個体を次階層の初期個体として 連結する多段進化戦略を提案する. 魔方陣とは,方陣における行・列・対角線の各要素の和がすべて等しい値(定和)となる状態である. この制約を行・列のみで充足する方陣を半魔方陣と呼ぶ. 本研究では,半魔方陣を2層に分割し,行のみで充足する個体を生成する下層を追加したことにより,行方向の探索が不要になり 探索回数の大幅な削減に成功した. 実験では,先行研究と提案手法における必要な時間を及び世代数の短縮を比較し,大幅な削減が実現できた. 具体的には90×90の魔方陣を先行研究と比較して約232倍の速度で生成でき平均6分57秒で魔方陣の生成に成功した(試行数10).

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© 2023 人工知能学会
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