主催: 一般社団法人 人工知能学会
会議名: 2024年度人工知能学会全国大会(第38回)
回次: 38
開催地: アクトシティ浜松+オンライン
開催日: 2024/05/28 - 2024/05/31
顧客生涯価値 (LTV ; LifeTime Value) の予測はマーケティング施策の決定などに重要だが,顧客が利用するサービスにおいて売上が発生するケースが少ない場合,売上金額の分布がゼロに偏る点が問題となる.Zero-Inflated Log-Normal (ZILN) モデルは売上発生確率と売上金額分布を同時に考慮することで,ゼロに偏る売上データを学習してLTVを予測するモデルである.ただこのモデルでは,顧客が対象サービスを利用を開始してからの経過時間を考慮しないため,ある一定期間を経過した時点での売上を学習データとして用いる必要があり,十分な学習データが集められないだけではなく、予測時にこの経過時間を変更することができない.本発表では,この問題点を解消するためにZILNを拡張した経過時間考慮ZILNモデル(td-ZILN)を提案する.このモデルではZILNモデルにおける売上発生確率について顧客属性と経過時間の両方を考慮する.この修正により,学習データに任意時点の売上データを含めることができ,予測時に経過時間を変更できるようになるため,学習時と予測時の利便性が向上することを示す.