抄録
本稿では、粘性流れ場の形状を設計対象にした散逸エネルギー最小化問題を定式化する。次に、ラグランジェ乗数法(あるいは随伴変数法)と物質導関数の公式を用いて、領域変動に対する感度関数(形状勾配関数)を導入する。形状最適化解析には力法を用いる。力法は設計領域を弾性体と仮定して、導入した形状勾配関数を設計境界に擬似弾性問題の外力として作用させたときの変位場を領域変動として解析する方法として、著者らによって提案されている。ストークス流れを仮定すれば、形状勾配関数は通常の流速分布のみの関数となるため、実際の最適化解析は比較的容易である。一方、対流を考慮した問題では、形状勾配関数は、通常の流速分布と随伴方程式から計算される随伴流速分布の関数となる。したがって、このような随伴流れ場を正確に解くために、流れ場を安定に解析することに加えて、随伴流れ場の境界条件を適切に設定する必要がある。